皆さんは普段空港をどれくらい利用しますか?仕事、休暇、里帰り、色々な理由がありますが、私は1か月に1度位の頻度で空港を利用します。いつも空港に行く度に思うのですが、この巨大なスペースがグリーンビルディングであれば、どれほどエネルギーが節約できるだろうか?と。ID-10047016

(出典:FreeDigitalPhotos.net)

そんな空港の1つであるサンディエゴ国際空港は、商業用単一滑走路の中で世界でも2番目に忙しいと言われている空港で、一日平均で550の出入港と5万人の乗客を運んでいます。

そのサンディエゴ国際空港に新たに追加されたターミナルが、今年4月に入り世界の空港で初めてLEEDのプラチナ認証を取得しました。LEED の中でもプラチナ認証取得は非常に難しく、この取得はエネルギーや、環境において最高レベルを満たす建物として認められたことになります。

新しく生まれ変わったサンディエゴ空港

サンディエゴ国際空港は年間1700万人の乗降客数を誇る民間空港ですが、民間空港としては面積が小さく、交通量が多いことで知られています。このターミナルの拡張は、全米で鉄道、高速道路、通信施設などのインフラや公共施設を中心とする大規模建設を手がけているHNTB Corporationによりデザインされ、総工費約907億ドルで実現しました。追加されたターミナルエリアは約42,700㎡、駐機場と誘導路は約120,700㎡を有します。

ターミナル2の入り口。出発と到着は混雑を避けるために二つの階に分かれています。(出典:http://sandiegoairport.porternovelli.com/)

新たに加えられたターミナル2内部 (出展:The Design-Build Institute of America)

サンディエゴのシティーラインをバックに。連続した窓が特徴的です。(出典:http://sandiegoairport.porternovelli.com/)

明るくて広いカフェエリア (出典:PassengerTerminalToday.com)

新しくなった空港はどのように変化したのか、内部を紹介するビデオを見つけました。

【動画】The Green Build Terminal 2 Expansion at San Diego International Airport

サンディエゴの空港に新たな技術

このターミナルおよびエアサイドの改修工事は、HNTBだけでなくTurner, PCL, Flatiron といった建設会社の合併企業や、グリーンビルディングのコンサルティングで活躍するDrew Goerge &Partners といったLEED専門会社など、多くの専門家によって可能にされ、持続可能で、環境に優しい要素が、設計デザインや実際の建設過程に幅広く取り入れられています。それらの要素を見てみましょう。

  • 1メガワットの電力生産が可能なソーラーパネルを設置。(ターミナルの予想エネルギー使用量の12.5%をカバー)
  • 年間約151万kLの節水が期待できる低水量水道設備をの導入
  • 干ばつに適した、または水やりの必要が少ない植物を選ぶことにより干ばつに強く水保全に役立つランドスケープデザインを導入。
  • ターミナル内で自然光を最大限に利用。建物の入り口はほぼ全てガラスの窓で構成され、チケットエリアなど様々なエリアで自然光が取り入れられる。新設された8箇所のトイレのうち6か所では天井から自然光を取り入れられるユニークなデザイン使用して、エネルギー消費量を削減。
  • 反射材使用などにより屋上の加熱防止と冷房機使用量を削減
  • 室内エネルギー効率性を高めるため、省エネの光、暖房換気空調調整システムを導入。
  • 新設される10ゲートに航空機用外部電源および空調装置を設置。これにより、個別のディーゼル発電装置や各航空機の補助動力装置を稼働させる必要がなくなるため、駐機中の燃料消費とそれによるCO2排出を軽減。
  • 滑走場に導入された高性能排水濾過システムにより、サンディエゴ湾に流出する汚染水を軽減。
  • 低揮発性有機化合物の接着剤やペンキ等の使用により屋内環境を改善。
  • 建設資材廃棄物は可能な限り現地で再利用。また、空港から約805㎞以内にある資材を使用することで、資材運搬にかかるエネルギー消費や環境への影響を軽減。

総工費907億ドルという巨額の費用を投資していますが、実際には工事が延長することも無く、工費予定も予算額と比べ、45億ドル安く完成したそうです。

20120428_LEEDLOGO4s新設されたターミナルには、上記のように見た目にはわからない、様々な技術があちこちに、取り込まれています。通常の建築基準に比べ、エネルギー効率を 32%あげることを目指す新しい空港の誕生に気持ちが躍るとともに、これを機に世界の空港がもっと環境に優しいものになることを期待したいですね。次に空 港を利用する時はじっくり観察してみましょう!

資料

サンディエゴ国際空港:

HNTBコーポレーション:ホームページ